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2014年9月16日火曜日

工学院大学竣工式の言葉

工房・化学実験棟竣工式挨拶『感謝の言葉』 思えば40年前、大学入学式の前日キャンパス内にあった寮に入ったのがこの地との出会いでした。キャンパス、イコール寮生活でした。工事中、今の学生達を見る度に昔の友達や自分を探してしまいました。 この冬は日本海側の豪雪に助けられ、関東は晴天が続く毎日でした。日本海側が雪だと関東は晴天になるという皮肉な天の恵みに恵まれ、実のところ本当に助けられました。その間、私に出来ることは、代々木の自宅に近い明治神宮にお参りすることだけでした。 しかし、工期は厳しく7月25日から6ヶ月、1月に上棟し残る2ヶ月弱が仕上げと外構工事でしたが、最後のこの時期が一番厳しい時期でした。特に感謝したいのが清水建設の施工力レベルの高さでした。鉄筋、型枠の正確さと工程を推進する力。13000人もの人々の上に立ち、導く底力を見てもらいました。統括責任者の伊藤工事長、そして現場に設計打ち合わせにと尽力された久原工事長、奥崎主任、本当に有難うございました。朝早くから夜遅くまでいつ寝ていたのか、本当によく頑張って頂きました。 敷地内の大きな桜や梅は工事、機械操作の邪魔でしたが残すことが出来ました。感謝しています。40年来の歴史的要素は守らなければなりません。最近のキャンパスの風景にパブリシティーの欠如を感じていました。庭であれ、斜面であれ、階段であれ、廊下であれ、テラスであれ、それらを大切にすることで社会性が身に付く学生が育つと考え、設計しました。 ふるさと母校に帰る気持ちは嬉しい毎日でした。学生寮の仲間は兄弟。建築の波多江先生、武藤章先生、山下司先生は父親。私にとって母はクラブ活動の美術部でした。キャンパス全てが思い出です。これからのキャンパスが環境整備に尽力され、心豊かなエモーション(EQ)が評価される工学系の学生が巣立って行くことを祈念しまして、設計者の感謝の言葉といたします。有難うございました。20060401工房・化学実験棟設計者 株式会社昴設計 平井真夫

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